「沖縄高専を卒業して得した事」をテーマに約10年の社会人経験から見えたものをお伝えしていきます。
おはようございます。
沖縄高専を卒業して、努力した甲斐もあって、運よく大企業に入社できた でん です。
今回の記事では「沖縄高専を卒業してどんなメリットがあったのか」を社会人経験を積んだ自分の視点から解説していこうと思います。
先に結論からお伝えしておくと・・・
そもそも高専卒は今の世の中でも超待遇
仕事に困ることがない
今日の記事でお伝えする話は
これから就職活動をする人だけでなく
・高専に入学するかを迷っている人
・高専での勉強がツラくて、退学しようか迷っている人
・高専での勉強に意味を感じない人
こういった方にとっても、役立つ情報なので知っておいて損はないでしょう。
むしろ、得をします。
それでは、本題に入ります。
沖縄高専を卒業して良かった5つの事
まず「高専」という組織自体を知らない人もいるかと思うので、簡単に紹介しておきます。
正式名称は「工業高等専門学校」
そのため「沖縄高専」は「沖縄工業高等専門学校」となります。
そして、この学校は5年制であり、いわば「高校3年間+専門学校2年間」という学歴が手に入る組織となります。
ここが非常に重要。
日本全国で見た時、20年前というのは「高専」という高校の知名度はかなり低かったと言われています。
実際、自分が沖縄高専に入学する時ですら、そこまでの知名度はなく
就職率100%
という言葉のインパクトだけが印象に残っていたのを今も覚えています。
その謳い文句の通り、自分は後に高専という組織に感謝することになります。
実際に社会に出て企業でもまれる中でも、高専を卒業しておいて良かったと感じるような場面もありました。
卒業から10年以上経過した経験値を踏まえて、大きく分けて5つにまとめて、解説していきます。
1.就職活動で評価してもらえる
結論を先に伝えておくと「高専卒はかなり優位」ということ。
沖縄内での就職だけに留まらず、他県での就職活動にも優位に立って進めることが出来ます。
さらに、この優位性は今後、何十年と価値を保つものであることも付け加えておきます。
ここをもう少し詳しく解説していきます。
就職活動をしたことがある人はご存じだと思いますが、就職活動には結構厄介な関門があります。
それは何かというと
書類選考
これが非常に厄介で「
どう厄介かというと
ある企業にあなたが入社したいと考えていたとします。
ところが、その企業が「高専・大卒以上しか採用しません」といった基準を設けている場合、原則、高卒では面接のステップにすら進むことができません。
「え・・?ちょっとぐらい話を・・」と思うかもしれませんが、基本的に受け付けてもらえません。※
※裏技ですが、もの凄い実績を持って直接アピールしたいと伝える手段はアリ。ただ実績がないと、ただの迷惑行為でしかないことは注意しておくこと。
とりあえず大学でも出とくか
「じゃあ、大学さえ出とくか」「学歴クリアで余裕じゃん」と思う方がいるのですが
半分正解で半分不正解。
重要な話になっていきます。
世の中には、大学が沢山あることをご存じでしょうか。
しかも、企業によっては専門学校以上の学歴であれば、OKとしている企業もあります。
つまり、何が言いたいかというと
ライバルが多すぎる
ということです。
安易に大学を卒業すると、就職ができないという最悪の事態に陥る可能性があります。実際、知人にも正社員にならず、フリーターになっている人もいます。(給与等を気にせず、ブラック気味の企業に入れば、正社員にはなれるのですが)
高専枠は他と差別化できる
高専はきちんとした教育体系が取られています。
そのため、多くの高専卒の人材が社会で活躍していて、その活躍のおかげで「高専」というブランドの価値が今もなお高まっています。
年収1000万円を超える大企業の管理職クラス、部長クラスにまで成り上がっている高専卒の人もいるくらいです。
ただの大学卒や専門学校生とは「明確な区分け」がされているのが社会の実態。
そのため、高専卒というだけで書類選考は通りやすいですし、OBも沢山いるので有名企業に簡単に入社できるというワケです。
ちなみにこの高専卒の効果は、大学に進学しても効果がある事を知っておいて下さい。
面接において「高専を卒業しているんだね!」「〇〇さんも高専卒だよ」という声掛けをしてもらえたりもします。
※ちなみに、大学進学を選択した場合にはOB訪問を原則すべきであって「OBの方にネゴしておく」というのは言うまでもないことでしょう。
2.実は進学が楽にできる
高専は5年制であることを冒頭にお伝えしましたが、実は3年から4年に上がる段階で「センター試験のようなもの」はありません。
「大学に進学したい人」
普通の高校であれば、就職に有利な有名大学、専門学校に入るために、少なくても高校2年生の夏からは勉強を開始します。(超有名大学を目指すのであれば、一年の段階から勉強する人もいます)
ところが高専の場合、とにかく勉強時間の余裕がある。
※編入試験は5年生の6月~8月に試験があるのですが、当たり前のことですが、全く4年生の秋まで勉強せず、平均点ぎりぎりの生活をしてきた人にとっては厳しい闘いになることは認識しておくこと
各高専には大小あるものの、基本的に数学力を伸ばすようなカリキュラムが敷かれています。微分方程式、ラプラス変換という深い数学まで学習することが可能。
一般の専門学校で習うことはなく、大学によっては大学院に進学してから高等数学で学ぶといったところもあるぐらい。
それだけ教育基盤がしっかりしていると言えます。
その教育基盤を支える教員がいるというのも、高専の最大のメリット。
【TIPS】
社会人になると実感するのですが、勉強を教えてもらうのは基本的に有料。教授や助教授にお話を聞くなんていうのはもの凄い費用がかかること。高専だと「失礼します。勉強教えて下さい」とアポもなく、即知識を吸収することができるのが大きい。
数学は1年生からきちんと、応用問題まで解く習慣(テストで90点以上取るようにしていれば良い)があれば、大学の編入試験で困ることは基本的にありません。
問題は英語。
ですが現在、英語に関する情報はブロガー含めて、企業サイトでも無料で有益情報を配信しています。
昔なんか、編入の情報なんて一切ない環境だったのですが10年ぐらいで大きく世の中は変わりました。
しかし、試験問題は大きく変わっていません。間違いなく、試験攻略は簡単になっています。
机に向かうだけではなく、有益な情報を掴む工夫をすることで、大学進学の難易度を下げることができます。
提携の大学には手間なく進学可能
今の高専生だと、結構多くの人が知っているかと思いますが「技術科学大学」「専攻科」という選択。
これらはしっかりと成績を残しておけば「面接だけ」で進学することができたりします。
このあたりは詳しく別の記事で紹介しますが、大学卒という学歴を手に入れることが簡単にできる選択もあるということは知っておくと良いでしょう。
3.自動的に専門学校卒に
結構多くの人が見逃しがちなのですが
高専を卒業すると、自動的に専門学校に進学できている
実は、この進学は、学科によってはかなりのメリット。
転職事情に詳しい知人から得た情報だったので、転職エージェントに確認してみました。
この「専門学校卒」というのは、「情報系」には特に効果的。
具体例を挙げると
ここを狙って、個人で(フリーで)企業から仕事をもらう人が流行しているのはSNSをやっていればご存じのはず。
故にこの業界は常に人手不足
しかしながら、人手不足だからこそチャンス。
半年前に会社がどうしても嫌になって、転職フェアに行った時の話なのですが、このプログマ―の求人条件が厳しい。
・〇〇言語が使えること
・2年以上の経験があること
大抵の有名企業にはこういった必須条件があるのですが、少し有名ではない企業には下記のような求人がありました。
・未経験も可
・専門学校卒であること
「高校卒でも良いですか??」と聞いたところ、20歳前半だと良いけど、25歳超えると断っているとのこと。
ただ専門学校卒であれば、入り込むチャンスがあります。
日本は学歴社会だ!などと言う人がいますが、これは勘違い。
むしろ、海外の方が厳しいです。中国、韓国の教育事情を知っている人はご存じだと思いますが、完全な学歴格差社会。アメリカも同様。
頑張ってこなかった人が土壇場でどうにかしてもらえるような甘い世界ではないということでしょう。
4.卒業後、高専は教授に相談しやすい
沖縄高専だけではなく、どこの高専にも言えることだけなのですが、大学よりも教授や助教授との距離が違い学校。
これは卒業生にとって、完全なメリット。
自分は大学に進学をしましたが、大学よりも遥かに高専の方がお伺いしやすいです。
社会人になってから資格に挑戦しようと考えて、数学をやり直した時、全然わからないといったことが多々ありました。
そこで、挨拶がてらお伺いしてがっつり教えてもらいました。
また、勉強面だけでなく、転職の相談にも乗ってくれたりします。実際、高専を卒業して1年ぐらいで退職してしまう人もいるのですが
そういった困った状況に陥った時、高専の先生は助け船を出してくれたりします。(頼ってばかりじゃダメですが、この企業どうだ?OBがいるぞ?話しとくか?といった具合にアドバイスをくれたり)
トータルで見て、教育体系もそうですが、人生で道を踏み外しかけた時に助けてくれるのが高専の良さであり、温かさでもあると個人的に感じています。
5.実習で経験した事が会社で役立った
高専の実習のレベルはもの凄い高いことをご存じでしょうか??
実はこれは当たり前のことで
ロボコンの大会がまさにその象徴なのですが、技術力No1を目指すような教育体系なので、在籍していると実力が身に付くんですよ。
高専から大学に編入してみて驚くのが、大学は基本的に座学が多くて、専門教科以外も学習したりしています。
浅く広くという教育も価値はあるのですが
今の世の中だと、インターネットが進化してきたので浅い知識というのは、検索で大抵インプットすることができてしまいます。
昔よりも、一般科目で学べることの価値は下がってきているとは言えるでしょう。
スピーチを学ぶ授業であれば、別段何時間も机上勉強しなくても良い。
Google検索で必要なことを学び、本当のスピーチのプロの研究をしたり、電子書籍を読んだりして机上学習をしてしまう。
さらに、SNSオンライン配信を活用してしまえば、スピーチ練習はできてしまいます。
人間の歴史みたいなものも、環境工学といった講義も、特段インターネットで事が済みます。
そういった授業をしている大学が多いので
高専の3年4年5年で取り組む実習には価値が出てくるわけです。
高専の専門実習はネットでは学べないレベル。
高専の中には、電気関係で言えば
電気回路を作る実習だけではなく「プログミング」を学び、制御までして、動く物を作る。
さらに、インターンシップで制御盤の組み立てまで経験できたりする。
ここまで一体型の教育を受けられるのは感謝でしかないと思います。(転職の局面で、幅を利かせて、活動することができるのは大きい)
これらの経験は、自分にとってかけがえのない経験でした。
記事のまとめ
「沖縄高専を卒業して良かった5つの事【結論:就職に強すぎる】」の記事のまとめをしますと
1.就職活動で評価してもらえる
2.楽に進学できる
3.自動的に専門学校卒
4.卒業後に教授に相談できる
5.実習経験が役立ちすぎる
社会人経験10年以上積んだ上で人生を振り返ったとき、高専を卒業した事にはこれらの5つメリットがあったと感じます。
特に沖縄高専は他の高専の話を聞いても、どこか雰囲気的にも温かいような感じを受けます。
行きたい高校がないようであれば、高専に行っておくというのはアリでしょう。やりたいことがエンジニア以外に見つかったのであれば、そちらに舵をきることは簡単。
大企業にいれば中小企業に入社しやすいのと同じように、高専という高いレベルの専門学校にいれば他の道には変更が効きやすいので、どうとでも動けるということを最後に書き足しておきました。